元素分析について

調査・解析業務

元素分析について

異物分析や成分分析において、対象物の構成元素の種類や割合を知ることは非常に有効な分析手段となります。

元素分析の主な手法については、蛍光X線分析装置(XRF)や電子顕微鏡に取付けたエネルギー分散型X線分析装置(SEM/EDX)などがあります。異物・付着物の分析では、主にSEM/EDXについて説明いたしました。今回は主にXRFによる分析についてご紹介致します。

SEM/EDXとXRFの大きな違いは、測定できるサンプルの大きさになります。例えば、USBケーブルのコネクタ部分の測定を行なう場合はどうでしょうか?XRFであれば、そのままUSBケーブルをサンプル室に入れてX線を照射する部分の位置決めを行い、測定します。弊社のXRFのX線の照射径は1mmφ及び8mmφが選択可能であり、それらの照射径以上の大きさのサンプルであれば良好な測定結果を得ることが出来ます。

それに対してSEM/EDXの場合にはUSBケーブル全体を試料室に入れることは、ほぼ不可能であるためコネクタ部分を切断し、樹脂部分を測定するのであれば金やカーボン等で導電性を付加してからの測定となります。

USBケーブル

またXRFで測定を行う場合は、RoHS指令に対応した特殊なフィルターを採用することによりCd、Pb、Cr、Hg、Brの定量下限を無機物で50ppm、有機物で20ppm程度まで下げることが出来ます。

それに対してSEM/EDXは、通常フィルターを持たないためパーセントオーダーでの評価となり、同時に精度も厳密な検量線を使用した分析と比較すると低下します。

XRFの技術的な内容については、技術情報の「蛍光X線分析法」をご覧ください。