個人ばく露測定

個人ばく露測定とは

個人ばく露測定とは、有害物質を取り扱う作業者にサンプラーを装着して、呼吸域での有害物質濃度を知るための測定です。その結果は、リスクアセスメントや作業者の健康リスク評価に利用できます。

個人ばく露測定と作業環境測定の違い

項目 個人ばく露測定 作業環境測定
法的根拠 安衛則第34条の2の7第2項 労働安全衛生法第65条
目的 リスクアセスメント 作業環境管理
測定者 作業者が個人サンプラーを装着
⇒測定機関で評価
作業環境測定士
測定時間 4~8時間(基本)、1~4点も可能 1点10分以上、全体で1時間以上
「健康リスク」の直接評価 可能 (ばく露濃度との比較) 不可能

個人ばく露イメージ図

個人の測定
> 測定点は、作業者と共に移動する
> 1日の個人のばく露状況を把握できる

作業環境イメージ図

の測定
>測定点は、無作為に決定し、定点測定
>有害物資の濃度分布が把握できる

有機溶剤の個人ばく露測定

測定

パッシブサンプラー(5cm程度のプラスチック製のバッジ)を作業着の襟もしくは胸に装着し、通常業務を4~8時間行っていただきます。これにより、気化した有機溶剤(以下、有機ガス)が捕集されます。

分析

返送していただいたサンプラーから測定対象物質を脱着してガスクロマトグラフィーで定量します。弊社では、パッシブサンプラー1個※で15種の有機ガスを同時に測定・分析することが可能です。

  • > アセトン
  • > メチルエチルケトン
  • > メチルイソブチルケトン
  • > エタノール
  • > イソプロピルアルコール
  • > 1-ブタノール
  • > イソブチルアルコール
  • > ノルマルヘキサン
  • > 酢酸エチル
  • > 酢酸ブチル
  • > トルエン
  • > エチルベンゼン
  • > キシレン
  • > スチレン
  • > シクロヘキサノン

※上記以外の有機ガスをサンプリングする場合は、別途サンプラーが必要になります。

評価

分析した有機ガス濃度を基にして算出した値とばく露限界値(許容濃度※)を比較して評価を行います。

管理 判定
1A 極めて良好
1B 十分に良好
1C 良好
2A 現対策の有効性を精査
更なるばく露低減に努める
2B リスク低減措置を行う
3 リスク低減措置を速やかに行う

※ 許容濃度は、この数値以下であれば、1日8時間・週40時間の労働現場においてほとんど全ての労働者に健康上の悪影響が見られないと判断される濃度です。

こんな事業者様のお悩みをサポートしております。

> 個人ばく露測定の結果を目安に、作業の安全性を確認したい。

> 作業環境測定対象物質以外の有害物についてリスク評価をしたい。

> 作業環境測定の評価では問題はなかったのに、特殊健康診断で悪い診断結果が出てしまった。

> 作業者の有害物ばく露濃度をモニタリングして、防毒マスクの吸収缶の交換時期を設定したい。

依頼から報告までの流れ